トビコバコの作り方 まとめ
トビコバコ(TOBIcoBACO)は、おいたちこばこ(豊田産業)の代表的な製品です。
代々、高級和ダンスの衣装盆を製造してきて、箱組みを得意としてきた当社は、現代の暮らしに寄り添える、そして可愛らしい製品作りができないかと考えて作った製品でもあります。
その作り方についてご紹介したいと思います。
材料を加工する(裁断・穴開け)
材料を、製品のサイズに合わせて裁断します。また、持ち運ぶ際に手を入れる部分に穴を開けます。
材料を加工する(アリ組加工)
材料の板材については、箱組みできるようにアリ組加工します。台形の形に溝を彫り、その対となる側には半円型の加工を施します。アリ組とは伝統的な加工法で、和ダンス産地の広島県府中市(府中家具)では多用されるものです。
側面を組む(箱組)
アリ組された材を、ひとつひとつ手で接着剤を塗り、組み上げます。それを優しくハンマーで打つことで、アリ組の溝にアリの頭のような半円の形を埋め込みます。接着面が平な面より多く、鍵穴に鍵を入れるような複雑な面であるため、より強固な固定ができます。
底を組む(箱組)
底になる部分を固定するために、タッカーを使用します。側面がしっかりとアリ組されているため、底板もしっかりと固定されるので、安心して収納していただけます。
箱を台形に加工する
前の工程まではただの四角い箱ですが、この工程で跳び箱のような傾斜の形状にします。昇降盤というノコギリを使い、慎重に台形状に加工を行います。
箱を研磨する(箱の完成)
手触りの良さはカンナ掛け・研磨から。カンナ掛けや、ベルトサンダーというやすりがけの機械を使い、箱を滑らかに、肌触り良く研磨します。均一にさせるために、細かい凸凹(でこぼこ)に合わせて手の力をコントローするすことで、平らにしていく作業でもあります。
この作業を終えると、箱の基本は完成です!
ステンシルで数字を印字する
ステンシルという型をつかって、馴染み深い数字を筆を駆使しながら印字します。もちろん一つ一つ仕上げます。簡単な作業のように見えますが、適度なインクをつける必要がありますし、最後に近い工程でミスは許されません。
スプレーで塗装する
塗装は社長自らスプレーで塗装を行います。ウレタン塗装というもので、食器などにも使用される安全性の高いものです。もちろんムラなく均一に仕上げます。
マット状の上蓋:詰め物を組み頒布を張る
前の工程までは箱組にまつわる仕事でしたが、こちらはマットとなる蓋部分を組む工程です。各種詰め物を重ね、最後に頒布を張ります。最後は鋲(びょう)を打ち込みマットを完成させます。
以上が跳び箱の形をしたおもちゃ箱・小物入れの作り方です。
一つ一つは単純な作業に見えますが、長く安全に使えるようにするため、手触りよく仕上げるためには経験が必要で、丁寧に仕上げる必要があります。
ぜひ手におとりいただき、私たちの愛情とも言うべき作品を感じてもらいたいです。